ワシントン条約の附属書提案への意見提出
南西諸島に生息する日本固有種のトカゲモドキ属とイボイモリをワシントン条約附属書Ⅲに掲載する提案について、環境省は7月31日~8月29日にパブリックコメントを実施しました。JWCSはコメントを提出しました(全文はこちら)。
附属書Ⅲとは、「締約国が自国内の保護のため、他の締約国・地域の協力を必要とするもの」で、締約国が条約事務局に要請すれば、締約国会議で決議しなくても発効します。
今回コメントの対象となっている種は、種の保存法の国内野生希少動植物種としてすでに輸出が禁止されているにもかかわらず、海外のペット市場で取引されていました。ドイツを拠点とするNGO、Pro WildlifeはEUのペット市場で日本の絶滅危惧種が売られていることを報告しています(『Stolen Wildlife』P.22-23:https://www.prowildlife.de/wp-content/uploads/2020/08/Stolen_Wildlife_III_webversion-PDF.pdf)。
そもそも2019年8月にジュネーブで開催されたワシントン条約第18回締約国会議(以下CoP18 )において、トカゲモドキ属の附属書Ⅱ掲載が提案された時、日本政府は日本固有種を除くことを主張し、附属書Ⅲへの掲載を検討している旨の発言をしていました。同様に中国に生息する他のイボイモリ属とイボイモリと似ているとされる他の属も附属書Ⅱに掲載が決まっています。野生生物の種の見分けを税関で行うことは難しく、またある種が取引禁止になると代わりに近縁種が乱獲されることがあるため、属の単位で附属書に掲載されることがよくあります。つまりこれらはCoP18で附属書Ⅱ掲載が決まっているべき種でした。
そのため、パブリックコメントでは、これらの種を緊急に附属書Ⅲに掲載し、さらに次回締約国会議で附属書Ⅱ、基準に達する種はⅠへの掲載を求めました。
そして今回の附属書Ⅲ掲載提案種以外にも、海外のペット市場で取引されている日本の絶滅危惧種をワシントン条約による保護を図るよう求めました。
(写真 沖縄県自然保護課設置のマングース対策告知の看板より)