都知事に象牙有識者会議の助言の実施を要望
東京都による「象牙取引規制に関する有識者会議」は3月29日に終了し、報告書をまとめました。
これに対し、JWCSを含む世界のNGOは、東京都が有識者会議の助言を受け入れ、東京都議会によって採択されるべき、狭い例外のみを除き都内の象牙市場を閉鎖するための条例を成立させるよう要望しました(要望書)。
中国で日本から密輸出された象牙が押収されており、ワシントン条約の決議に基づく日本国内象牙市場の閉鎖が国際的に求められています。
そして今年の11月にはワシントン条約締約国会議(CoP19)が予定されています。
ジンバブエ、ボツワナ、ザンビア、タンザニア、ナミビアは象牙の輸出再開を目指しており、一方アフリカ23か国が加盟するアフリカゾウ連合は象牙の国際取引に反対しています。
このようなアフリカでの象牙をめぐる対立が起きるのは、そもそも日本のような象牙を買う国があるからです。先月開催された象牙取引再開を望む南部アフリカ諸国が開催した会議に際し、ジンバブエ駐在日本大使が備蓄象牙を持っている写真が報道されました。
前回備蓄象牙を日本と中国が購入した「一度限りの象牙取引(ワンオフセール)」では、象牙取引再開が決定した2008年ごろから密猟が増え始めました。象牙が売れるという期待だけでも密猟が増える恐れがあります。
このような時だからこそ、東京都での条例制定や日本の消費者からの「象牙はいらない」という声が、ゾウの命を密猟から救うことになります。
参考:動画「なぜ日本の象牙市場閉鎖が求められているのでしょうか」