JWCSのめざすもの
野生生物保全論研究会(JWCS)は人間と野生生物が共存する社会の実現を目指します。
経済活動のグローバル化は野生生物に多大な影響を与えています。そしてそれには日本の政策や企業活動および消費行動が少なからずかかわっています。JWCSは日本の非政府・非営利組織として野生生物保全活動を行います。
また活動にあたっては、
1.生態系は人類生存の基盤であることを認識する
2.安易な人為化を避ける
3.予防原則に基づく意思決定を求める
を基本原則とします。
野生の世界は野生のままに
「生物多様性の保全」という言葉が使われだした1990年代の初めから、JWCSの理論研究会は、その概念について議論を重ねてきました。「生物多様性を保全する」といいながら「野生生物保全」にはなっていない保全プロジェクトがあるのではないか――。
「生物多様性」と和訳された英語の「Biodiversity」という言葉には、dis(分離・拡散)vertere(向かう・行く)、つまり進化の結果さまざまな生きものが地球に存在するという意味を含んでいます。しかし、日本では「多様性」という言葉は単に「種類がいろいろある」という意味でとらえられることが多いのではないでしょうか。そのため「生物の歴史の中で、この生きものがこの場所に生きている意味」や「この生きものが未来に向けて進化していく可能性」といった進化、地史を考慮していない保全活動があるように思われます。人間活動によって生物多様性が失われてきたのですから、野生生物の視点に立って考えると生物多様性保全にはまず「野生の世界は野生のままに」、人間による影響をこれ以上広げないことが重要であるとJWCSは考えています。
沿革
1990年に理論研究会を定期的に開催する会として発足。1995年から会員制度を導入し、2001年にNPO法人に、2014年には寄付金が税制優遇の対象になる認定NPO法人になりました。