【9月13日】シンポジウム サメの世界を知るー絶滅のおそれのあるサメ(ワシントン条約CoP18報告も行います)

Oceanic white-tip shark

 国際自然保護連合(IUCN)は、レッドリストの調査を行ったサメとエイの31%が絶滅危惧であると警告しています。
 またワシントン条約では9種1属のサメの国際取引を規制していますが、日本はその全てを留保(条約の対象外と扱う)しています。
どのようなサメが絶滅の危機にあり、世界ではどのような保全がされているのでしょうか。
 地球の生態系を構成する野生生物としてのサメの世界を、サメ研究者ではない人の間でもシェアしませんか。シンポジウムの直前に行われるワシントン条約第18回締約国会議の参加報告もあわせて行います。

シンポジウム サメの世界を知る―絶滅のおそれのあるサメ

●日時:2019年9月13日(金) 13:00-17:15
●会場:帝京科学大学 千住キャンパス3号館地下1階
●主催:認定NPO法人 野生生物保全論研究会(JWCS)
 後援:公益財団法人 日本自然保護協会
●参加定員:200名
●参加費:無料 
●参加申込:次のサイトからご記入ください https://forms.gle/otPKu5rB3aXLqNo86

プログラム
12:30 開場
13:00- 開会あいさつ シンポジウム趣旨説明 鈴木希理恵(JWCS)
13:10- 「魚の物語;サメ、漁業、そして未来」 逐次通訳
     リマ・ジャバド (エラズモ プロジェクト)
14:10- 「香港でのフカヒレ取引と規制,フカヒレ識別による法執行」逐次通訳
     スタン・シア ( ブルーム アソシエーション香港)
15:10- ワシントン条約締約国会議CoP18報告 動画上映
15:20- 「CoP18でのサメ・エイ・海産種の議論」 真田康弘(早稲田大学客員准教授)
15:40- 休憩 質問票回収
15:55- 質疑応答/パネルディスカッション「サメの危機を自分のこととして考えるには」
17:05- 閉会挨拶 並木美砂子(帝京科学大学教授)
17:15  閉会

講師紹介

リマ・ジャバドさんRIMA W. JABADO, PhD)

 水産科学者・保全活動家であり、その経験は西部インド洋から最近は西アフリカにも及ぶ。サメ・エイ漁業とその取引の調査・研究から、フィールドワークの結果を政府・コミュニティーレベルでの保全政策提言・実施につなげている。とくに漁業活動、混獲等の人間と野生生物の軋轢、および絶滅の危機にある種の保全、また海洋産物取引の社会経済面に関心を持つ。50以上の科学文献、レポート、書籍の著者・共著者であり、彼女のサメ・エイの仕事はナショナルジオグラフィック、BBC、といったメディアにも取り上げられている。

  IUCNサメ専門家グループのインド洋地域副議長、IUCN海洋保全委員、移動性野生動物種の保全に関する条約(ボン条約)諮問委員会回遊ザメ保全に関する覚書のアジア地域代表も務める。サメ・エイに関する功績から数々の助成金や賞を得ており、2019年にはスリランカ、インド、セネガル、モーリタニアのシノノメサカタザメとトンガリサカタザメ調査のためピュー海洋保全フェローシップ(アメリカの民間助成)を受賞した。

  創設者でありチーフ・サイエンティストを務めるエラズモ・プロジェクトは、ドバイをベースにアラビア海域における軟骨魚類(サメ類、エイ類)の調査を通して普及教育活動を行っている。

 

スタン・シアさん (STAN SHEA) 

 海洋生物学者、ダイバー、教育者。修士取得後2009年からNGO、ブルーム・アソシエーション香港に勤務。 海洋プログラム責任者として、サンゴ礁に生息する食用魚の取引、乾燥水産食品取引、海洋生物多様性について知られていない問題を明らかにし、海洋資源と生息地の保全のために重要な情報を提供する研究プロジェクトを展開している。
  2014年には「東経114度香港サンゴ礁に住む魚調査プロジェクト」発足者の一人として、ダイビングにより香港海域のサンゴ礁に住む魚の種の調査を行っている。そのデータはWWF香港の海洋生態ホットスポットマップ、香港政府のサンゴ礁に住む魚のガイドブック等、数々のプロジェクトに使用されている。また2017年からは香港海洋生物リストの海洋魚種編者の一人となる。
  彼は保全問題をさまざまな立場の人たちにとって身近なものにすることに努めている。企業、政府職員、園児から大学生までを含む参加者に海洋保全問題を教える彼のトレーニング・ワークショップは、今日まで世界20か国・地域以上の1万人を超える人々に行われてきた。
 「多くの場合、人間は『問題の一部』だが、 『解決の一部』になることを選べる。自然を大切にすれば、自然が人間を大切にしてくれると信じている」。

講師からのメッセージ

 

助成:シャーク コンサベーション ファンド  

This project was funded by the Shark Conservation Fund, a philanthropic collaborative pooling expertise and resources to meet the threats facing the world’s sharks and rays. The Shark Conservation Fund is a project of Rockefeller Philanthropy Advisors.