【CBD COP10レポート】NGOは締約国会議で何ができるか

締約国会議は、文字通り条約を締約した国同士で話し合う場ですが、NGO(非政府組織)はオブザーバーとして発言する機会があります。

 作業部会で最初に議題を取り上げるときは、時間内に発言を希望した(マイク横のボタンを押した)国、次にFAO・UNESCOなどの国連機関、最後にNGOの順で指名されます。意見を文書で条約事務局に届けることもできます。
 二回目に議題が取り上げられるとき発言が許されるのは締約国ですが、締約国が1国でも支持すればNGOも発言できると議長から何度かアナウンスがありました。

 しかし1分や2分の発言ではその主張は伝えきれません。そこで、各国政府やNGO、企業などがサイドイベントを開催します。サイドイベントは締約国会議の公式プログラムで、締約国会議に登録した人しか入れない会議場で行われます。時間はお昼休みと会議終了後の時間になっています。

 とくに2020年目標(愛知ターゲット)に、沿岸・海洋の保護区の面積を盛り込むことが懸案の議題になっていたため、海洋に関係するサイドイベントはほぼ毎日ありました。

 その中で海洋保護区の重要性を訴えたり、自分たちの主張の根拠を示したりします。見たところ参加者はNGOが多いようでしたが、中には政府代表もいて質問をすることもありました。

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(写真:PEW財団環境グループ主催サイドイベント 海の生物多様性と大型海洋生物種

例えばEUは保護地域への資金提供について「サイドイベントでLifewebのプロジェクトはうまくいっていると報告されていた。だからLifewebの文言を入れるべき」と使っていました。EUは資金提供の議論になると発言が多かったです。(http://www.cbd.int/lifeweb/

 このように採択文の内容に影響を及ぼすだけではなく、COP10以降の活動のためネットワークを拡大するイベントもありました。たとえば絶滅ゼロ同盟はプログラムを紹介して協力してくれる団体はいないかと呼びかけていました。(American Bird Conservancy 主催のサイドイベント 絶滅ゼロ同盟) 

ただ、日本政府の主催のサイドイベントの参加者は日本人が多いようでした。環境省が主催した「食べて考える、外来種ワークショップ」は日本での取り組みを紹介する内容で、ブラックバスバーガーが提供されました(温かければおいしかったかも)。日本のテレビの取材もきていました。

 

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