【CITES CoP14】アフリカゾウの附属書改正審議状況① 3つの提案

◆ 6月12日、第Ⅰ委員会で行なわれたアフリカゾウの附属書改正に関する議論を詳しく報告。その1

6月12日、第Ⅰ委員会でアフリカゾウの附属書改正に関する3つの提案が審議されました。

3つの提案とは・・・、

●ボツワナ、ナミビア、ジンバブエ、南アフリカ4カ国のゾウについて、割当量を決めて毎年象牙を輸出することなど求めるボツワナ・ナミビア提案(提案4)、

●ボツワナのゾウについて40トンの未加工象牙在庫の1回での輸出、その後は毎年8トン以内の輸出枠以内での輸出、その他商業目的での象牙製品などの輸出を求めるボツワナ単独提案(提案5)、

●象牙取引の20年間モラトリアムなどを求めるケニア・マリ提案(提案6)です。

 

これらの提案については、5月29日から31日にかけての3日間に続き、6月10日に行われたアフリカゾウ生息国間の対話会議でコンセンサスに至らず、その後非公式の折衝が続けられていましたが、調整がつかず討議となりました。

あわせて、象牙の流通管理に関する決議(決議10.10)の趣旨を具体化するための「象牙流通管理行動計画」の改定案(CITES事務局提案)も議論されます。
行動計画の主たる目的は、アフリカ大陸内やアジアに見られる「無規制状態の国内象牙市場」への対処です。規制しない場合は国内取引を禁止すること、規制するなら決議に定められた条件に適った方法で行うことを関係国に求め、行動計画を実施しない国に対する制裁手続を実効性のあるものにすることがポイントになります。

 

 

(JWCS事務局長 坂元雅行)