都知事に象牙取引規制に関する有識者会議の提言の実行を要望
東京都による「象牙取引規制に関する有識者会議」は2022年3月29日に終了し、報告書をまとめました。
そしてワシントン条約第19回締約国会議(CITES CoP19)開催前の2022年10月に、都は国に宛てた書簡「象牙取引管理の徹底について(要請)」を送付しました。今後の入国者数の増加に伴う、象牙の国外持ち出しの懸念から、象牙取引管理の厳格化を求めるものです。
しかし、日本から違法に輸出された象牙が中国で押収される事件が起きているにもかかわらず、日本政府は11月に開催された締約国会議で「象牙取引規制は十分であり、国内象牙市場は違法取引に寄与していない」との主張を変えませんでした。
そのため、JWCSを含む世界のNGOは、東京都が有識者会議の助言を受け入れ、東京都議会において、狭い例外のみを除き都内の象牙市場を閉鎖するための条例を成立させるよう再度要望しました(要望書)。
世界では国内象牙取引市場の閉鎖が進み、日本が最も大きな合法の市場を持つ国になってしまいました。象牙が売れる見込みがある限り、象牙目的のゾウの密猟は止まりません。そのため条例制定による「東京都ではもう象牙は売れない」というメッセージは、国際的に大きな意味をもっているのです。