商業捕鯨対象種にナガスクジラを追加することに反対する意見を提出
日本は2019年に国際捕鯨員会(IWC)を脱退し、日本沿岸での商業捕鯨を行っています。しかし鯨肉の売り上げが低迷し在庫が積みあがり、世界で唯一「母船式捕鯨」を行っている、共同船舶株式会社の経営には国の補助金が使われています(1)。
2024年5月に約75億円かけて建造した新母船が出港し、体の大きいナガスクジラの捕獲により黒字確保が期待されていると報道されています(2)。
水産庁はナガスクジラを商業捕鯨の対象に追加することを決定し、6月5日までパブリックコメントを募集しました。6月11日に水産政策審議会資源管理分科会に諮問され、ナガスクジラの捕鯨枠が決まります。
JWCSはこのパブリックコメント募集に際し、絶滅危惧種であるナガスクジラを商業利用すべきではないこと、そもそも生息数など科学的なデータが明らかにされずにパブリックコメントが募集されていること、海洋熱波など捕鯨以外の脅威もあるため決定には予防原則を適用すべきことを指摘し、ナガスクジラを商業捕鯨の対象とすることに反対の意見を提出しました。
ナガスクジラを商業捕鯨対象に加える告示案に対する意見(パブリックコメント)
(1)【商業捕鯨“復活”なるか?】ナガスクジラの対象拡大も、操業会社が抱える「時限爆弾」の実態 Wedge ONLINE 2024.6.4 真田康弘( オーシャン・ガバナンス研究所代表理事・総括研究主幹、学習院大学法学部客員研究員)
(2)新時代の捕鯨 歓迎と批判 新母船「関鯨丸」がデビュー ナガスクジラ対象「黒字確保に期待」 専門家「調査公表なく拙速」 2024.5.22 朝日新聞